テーザー稲毛フリート JPN2736 山村太郎
全日本選手権で優勝ができ、本当にうれしいです。
2007年、前回の稲毛での全日本で、初めてテーザーの全日本選手権に出場して以来、
全日本以外の大会では何度か優勝ができていましたが、
全日本になると初日暫定1位だが2日目に成績を崩すことも何度かあり、
総合3位以内に入ったこともありませんでした。
今回は地元の稲毛で開催されることもあり、優勝するためにはどうするかということを考え、準備し戦うことができました。
なお、2か月後に開催されるオーストラリアでのワールドにもエントリーしていましたが、頭の中は全日本のことでいっぱいでした。
○準備
スプリングレガッタを終えた5月から全日本を意識した準備を行いました。
5月に全日本で勝つためにテーマとして挙げたのは「軽風でのスピードアップ」「稲毛特有の風に対するコース取りのレベルアップ」下記の2点でした。
①軽風でのスピードアップ
ある程度強い風の中では他の艇よりもアドバンテージがあることは分かっており、
また、軽風のコンディションでは、毎月行っている稲毛のフリートレースでも他の艇にいつも負けていたため、
ここは、必須の改善ポイントでした。
行ったことの1つは、減量です。最終的には2人あわせて5KG以上の減量を行いました。
個人的には、職場の近くにジムがあったので、週のうち半分は昼休みに泳いでいました。
平日のトレーニングは学生の時でもほとんど出来ていなかったので、頑張った方かなと思います。
クルーの吉田君は、昼休みに走っていたらしく、吉田君の方が大きく減量しました。
練習時には、セッティングや走らせ方などを話し合いながら、試行錯誤していました。
これは、今回用の準備というよりは、ずっと行っていたことの継続です。
減量が功を奏したのかどうかはわからないですが、全日本前週の練習では、
軽風の中、稲毛の他のメンバー達を抑える走りができました。
②稲毛特有の風に対するコース取りのレベルアップ
稲毛は、特に陸からの風が吹いた場合、振れとブローラルが激しいコンディションとなります。
これは風が弱い時だけではなく、ハイクアウトに出ているような風でも、強烈なヘッダでアンヒールで体がズブズブと沈むこともしばしばです。
この特有の風の中、安定して前を走ることを目標としました。
具体的には、稲毛のフリートレースではもちろんのこと、走り比べをしている時でも、
今の風がどういう風で、今後どうなり、レースだったらここでタックするかどうかということを
ひたすらに話し合いました。
そこで得られた結論は下記の2点です。
・下に振れても風が落ちている時はタックしない
・あきらめない、油断しない
1レグに何度も風が変わること、振れよりもブローラルの変化の方が大きいことがその要因かと思います。
実はこれを実践しただけで、夏以降のフリートレースでは連勝することができました。
○レース当日
成績は7-1-5-5-1-2-3
圧倒的な成績ではないものの、他のチームが2ケタ順位を1レース以上取っていた中、大崩れせずに安定した順位を取れたことが優勝につながりました。
初日は南西の風。夕方にかけ、徐々に風が上がる予報。
1レース目はスタート直前の触れに対応できず、低いサイドからスタートし、1上は中間くらいの順位だったが、1艇ずつ抜いていくという気持ちで7位フィニッシュ。
2レース目は1レース目の失敗を生かし、しっかり有利サイドからスタートし、1位フィニッシュ。
3レース目は風が強くなり、走りで勝てるという気持ちがあったため、スタートが消極的になり、走りで挽回したものの5位。
前提2位だが、軽風の1、2レースで、大きく崩れなかったため上々の出来でした。
2日目は、十分に準備していた北風が吹きました。
4レース目、途中3位で回航する場面があるが最後のランニングで抜かれ5位。前日上位チームが成績を崩していたため、及第点。
5レース目、6レース目はしっかりスタートし、強い風をいち早くつかみ1位2位。同じ稲毛の池田/森組と1位争いのマッチレースは1勝1敗でした。
7レース目も同じように風をつかむことを考え、3位。
途中、ラルにつかまり前に出られる場面があっても、焦れずに次の風をつかみに行くことで前に出られ、
正に練習通りのレース展開ができました。
成績に1が並んでいない中、安定した成績が取れたことは、正に想定していたことに対する準備が効いた結果だと思っています。
準備というのがすごく大事で、準備をしっかりして得た勝利は格別であると言うことを改めて感じた大会でした。
蒲郡に決まった日本ワールドでは、チーム日本としてしっかり準備し、世界を倒しましょう。